もしもしができるヘルメット - R1〔セナスマートサイクリングヘルメット〕

R1〔セナスマートサイクリングヘルメット〕
メーカー:Sena Bluetooth Japan(セナブルートゥースジャパン)
商品名:R1 サイクルスマートヘルメット

安全運転義務違反

2015年6月に施行された道交法の第70条に安全運転義務違反という項目があり、片耳・両耳にイヤホンをしていたことにより、通行人や車、バイクと接触して事故を起こす可能性が高まる可能性があるということで耳をふさぐことは違反とされている。耳をふさがないスピーカー付のヘルメットがR1〔セナスマートサイクリングヘルメット〕だ。しかしながら、耳の上にスピーカーがあるため大音量で使用した場合も危険行為とみなされる可能性が十分あるので注意したい。

R1〔セナスマートサイクリングヘルメット〕とは

R1〔セナスマートサイクリングヘルメット〕とはそもそも何なのかというと、マイクとスピーカー、インターコム(Intercom)とブルートゥース(Bluetooth)がついた自転車用のヘルメットである。さらに、オートバイでおなじみのインターコムの機能がはじめから内蔵されているためヘルメットだけで話ができたり、スマホのスピーカーになったりする。ソロライド、グループライドを500km走って本音の商品レビュー。

R1〔セナスマートサイクリングヘルメット〕でできること

  • ヘルメット同士で通話ができる
  • スマホと連動してスピーカー、マイクが使える(電話、オーディオ再生)
  • 音楽の共有ができる
  • 電話+ヘルメット+ヘルメットで3者通話ができる
  • FMラジオを聴くことができる
  • Siri、Googleアシスタントが使える
  • アプリと連動してヘルメット使用者に連絡が取れる
  • ユニバーサルインターコムが使える(他社のインカムに接続できる)

ヘルメット同士で通話ができる

30km/h程度で走行中にインターコム機能を使いお話を行いましたがこれがまたクリアな音質で風切音はほとんど聞こえず、声だけを拾っている感じがした。坂道ををガンガン上っているときにはハァハァの息づかいも聞こえ、意地っ張りの筆者としては疲れているのを隠さなければならないというイベントまで発生してしまう有様だ。
また、下りハンドルから手を放しづらくハンドサインが出しにくい状況や、トンネル内や暗い夜道でハンドサインが見えにくい状態でも声でアナウンスできるも実に安全に走れるという感じがした。
インターコムのつながる距離は公式では900mとなっている。実際は姿が見えなくなってもつながるなので距離測定までには至っていないが、そこまで離れてもつながるので見えている範囲だったら問題ない状態。姿が見えない状態でもお話ができるので、周りからはこの人独り言を言っているよと思われているのではないかと勝手な想像。いまでこそ一般的になったが、スマホでハンズフリーは一般的になってきたが出始めのときはなんか独り言を話しているよ!という感覚が近いと思われ、爆笑しているときはとても恥ずかしい(笑)

R1〔セナスマートサイクリングヘルメット〕

スマホと連動してスピーカー、マイクが使える

冒頭でも記述をしたが、自転車を乗るときはイヤホンを使用して運転することができない。そのため、音楽を聴きながら自転車に乗ったことがなかったがここぞとばかりに音量は控えめで使ってみると、なんということだろうとてもこれだけで快適に走ることができる。

接続方法はブルートゥースのため、スマホ以外でも接続することができるデバイスは多い。規格は、省電力通信のBLE(Bluetooth4.1)で、プロファイルはHSP、HFP、A2DP、AVRCPとなっているため通話やステレオでの音楽再生のデータ通信に対応している。スマホの場合、単純に音楽だけではなくアプリの音声も対応しているためGoogleマップなどの音声案内も聞くことができたり、LINE電話を使用したりすることができる。

R1〔セナスマートサイクリングヘルメット〕

FMラジオを聴くことができる

ヘルメットにFMチューナーが内蔵されているため、FMラジオについて聞くことはできる。ヘルメットのボタンは3つのみとなっておりディスプレイなどを備えておらず、クリックを繰り返してラジオ局を選択するため少しコツがいる(選局のつもりがボリュームだったり)。また、ディスプレイなどを備えていないため、どのラジオ局を選択しているかが分かりにくい。しかし、かゆいところにも手が届くようにSena Utility App(セナユーティリティアップ)というアプリが準備されていた。このアプリを使用することにより、ラジオ局の周波数や順番を保存することができ設定をヘルメットから呼び出すこともできる。ほんと開発者の本気の意気込みを感じた。史上初の10連休のときに[奥武蔵グリーンライン]をラジオを聞きながら走ってみた、このルートは大部分がケイタイは圏外となっており通信することは難しい。そこでこのラジオだ。多少電波が悪いかなと思ったところはあったがほとんどクリアに聞こえた。渋滞情報を聞きながら空いている林道を走るのもまたよいかも。

R1〔セナスマートサイクリングヘルメット〕
R1〔セナスマートサイクリングヘルメット〕
R1〔セナスマートサイクリングヘルメット〕

インターコムとアプリ使用について

R1〔セナスマートサイクリングヘルメット〕は、ヘルメットだけのインターコムとアプリを利用した通話が可能である。インターコムは最大4台まで接続でき接続距離は900mとなっているが遮蔽物があったり、天候によって接続距離が短くなることもあるので注意が必要となる。アプリ利用の場合は台数が無制限となり、スマホの電波を利用するため距離も無制限となる。ただし、電波の届かない山の中では使用できないほかすべての人がアプリ利用しなければならないという点で注意が必要だ。どちらも小声で話してもお話ができる分、休憩中のトイレの音や踏切の遮断機音まで入ってくるので、この場合はぜひとも接続を切っていただきたい。

2人でインターコムで接続

〔ヘルメットA(自分) - ヘルメットB〕で接続する場合、すでにインターコムペアリングを行っている相手と電源を入れた状態でコントローラの「センター」ボタンを1回押せば、2~3秒程度で接続することができライド中にお話ができるようになる。この状態で接続した場合、音楽の共有を行うことができる。音楽共有の手順は、スマホ(もしくはブルートゥース機器)とヘルメットを接続しており音楽再生を行っている状態で相手とインターコム通話を行った状態で「センター」ボタンを1秒押すと”ピピッ”という音が出れば音楽共有は完了となる。音楽共有中は音声通話は遮断されてしまう。また、グループ通話中に音楽共有もできないのでこれも注意点となる。

通話
通話
最大900m
図:2人でインターコムで接続

3人以上でインターコムで接続

〔ヘルメットA(自分) - ヘルメットB - ヘルメットC - ヘルメットD〕の接続がある場合、ヘルメットAは、ヘルメットBおよび、ヘルメットC、ヘルメットDと個別にインターコムペアリングする必要がある。4人でグループ通話を行うこともできるが、個人で通話することも可能だ。

グループ通話を行う場合、「+」「-」を同時に押せば全員と通話することができるグループインターコムで接続ができる。ヘルメットA、B、C、Dはインターコムの接続は途中のヘルメットを経由して接続されるため、下記図のようにグループが900m以上離れていてもヘルメットAとヘルメットDの通話が可能だ。

通話
通話
500m
500m
500m
図:グループ通話

もう少し、詳しく説明するとグループ通話は、ヘルメットA→B→C→Dという1本の線で繋がっている状態になる。Bが圏外の距離になった場合やバッテリー切れなどで通信が途絶えた場合、Aは孤立してしまい、CとDだけが繋がった状態となる。接続順番については、Aがグループインターコムの接続ボタンを押した場合、先頭になり最新のペアリング順番になる(つまり、ペアリングした順の逆になる)。たとえば、ヘルメットAがペアリングした順番がヘルメットB→C→Dとした場合、接続順番は最新のペアリング順となるためヘルメットA→D→C→Bで接続される。この接続順番については、アプリ上でリストの編集(名前の変更、順番の入れ替え、削除)が可能だ。この通信距離で900mだが、ヒルクライムで力の差がある場所以外ではグループでここまで離れることはそうそうないのであまり気にしなくても問題ない。

孤立
切断
Dと接続中
Cと接続中
1000m

圏外
1000m

圏外
500m
 
図:グループ通話(切断)

個別で通話する場合は、「センター」ボタンを押して順番に切り替えることができる。順番については、最新のペアリング順番になる(ペアリングした順の逆になる)。たとえば、ヘルメットAがペアリングした順番がヘルメットB→C→Dとした場合、最新のペアリングがヘルメットDとなるため、「センター」ボタンは1回のみ、ヘルメットCと個別通話するためには、「センター」ボタンを2回、ヘルメットBと個別通話をするためには場合、「センター」ボタンを3回押すと通話することができる。このように誰と話すかになるのでペアリングした順番を覚えておく必要がある。

アプリ利用について

アプリ利用する場合は、「Sena Utility App」(セナユーティリティアップ)をスマホにインストールする必要がありiPhone用とAndroid用のアプリが提供されている。アプリを利用する場合は、スマホとヘルメットをブルートゥースで接続する必要がある。ブルートゥースで接続してしまえば、マイクとスピーカーが使用可能になるためLINEやSkypeといったアプリからでも通話は可能となるが「Sena Utility App」を使用すればヘルメットのボタンで操作が可能となる。また、ヘルメットがなくてもアプリから通話が可能である。ただし、注意点はグループ接続する場合は、全員アプリ接続で接続しないと話すことができない。アプリでは、インターコムで接続しているところには入れないということになる。

すべて通話可能(電波しだい)
図:アプリ利用

これだけは覚えておきたい操作

凡例:「+」ボタン
:「センター」ボタン
:「-」ボタン
電源
電源オン
を同時に1秒間長押しをする
こんにちわ
電源オフ
を同時に1秒間長押しをする
さようなら
バッテリー残量確認
電源オフの状態でを同時に3秒間長押しをする
バッテリーレベル(高・中・低)
ペアリング
電話ペアリング(スマホ)
を10秒長押しの後に、をクリックする
インターコムペアリング
設定メニュー
電話ペアリング
ペアリングされました
解説:「センター」ボタンを5秒長押しすると「インターコムペアリング」が流れ、そのまま5秒間押し続けると「設定メニュー」の音声が流れる。その後、「+」ボタンをクリックすると「電話ペアリング」の音声が流れる。ランプが赤と青の交互に点滅したら成功。その後、スマホやブルートゥース機器でペアリングを行う(キーを求められた場合「0000」)。成功すると「ペアリングされました」の音声が流れ、失敗すろと「ペアリング失敗」の音声が流れる。次回以降は電源オンで「電話に接続されました」の音声が流れ自動接続する。
2台目の電話ペアリング(スマホ)
を10秒長押しの後に、を2回クリックする
インターコムペアリング
設定メニュー
2台目の電話ペアリング
ペアリングされました
解説:2台同時にブルートゥース接続が可能である。「センター」ボタンを5秒長押しすると「インターコムペアリング」が流れ、そのまま5秒間押し続けると「設定メニュー」の音声が流れる。その後、「+」ボタンを2回クリックすると「2台目の電話ペアリング」の音声が流れる。ランプが青に点滅したら成功。その後、スマホやブルートゥース機器でペアリングを行う(キーを求められた場合「0000」)。成功すると「ペアリングされました」の音声が流れ、失敗すろと「ペアリング失敗」の音声が流れる。次回以降は電源オンで「機器に接続しました」の音声が流れ自動接続する。
インターコムペアリング(ヘルメット同士)
ペアリングするヘルメット2台のを5秒長押しの後に、片方のヘルメットのをクリックする
インターコムペアリング
解説:2台のヘルメットで行う必要がある(同時でなくともよい)。ペアリングする双方の「センター」ボタンを5秒押すと「インターコムペアリング」が流れ、ランプが赤に点滅する。2台とも赤に点滅していることを確認したら、どちらかの「センター」ボタンをクリックする。その後、青の点滅に変われば成功でそのまま通話可能状態となる。
インターコム
個別通話
をクリックする
(接続相手の声が聞こえる)
解説:事前にペアリングしているヘルメットで、クリック回数で接続相手が変わる。2人で接続する場合は「センター」ボタンを1回クリックすればいい。それ以外は、上記「2人でインターコムで接続」「2人以上でインターコムで接続」参照
音楽共有
を1秒間長押しする
(自分と相手に音楽が流れる)
解説:上記、個別通話の状態で実行する。事前にブルートゥース機器で音楽を流しておく必要があり、音楽共有中は音声通話ができない。
グループ通話
を同時にクリックする
(接続相手の声が聞こえる)
解説:事前にペアリングしているヘルメットに接続する。2~3秒ほどかかる。2人で接続する場合は、グループ通話でも個別通話でもどちらでも接続できる。ただし、グループで通話する場合はブルートゥース機器との接続が休止されていまうため、音楽共有は個別通話時のみ使用可能となる。
音声アシスタント
Siriまたは、Googleアシスタント
を3秒長押しする
(音声なし)
解説:タイミングが難しいがビープ音は流れるため、タイミングを掴むために何回か実行したほうが無難。
FMラジオを使う
FMラジオオン
を1秒間長押しする
FMオン
FMラジオオフ
を1秒間長押しする
FMオフ
ラジオステーションサーチ
もしくは、を2回クリックする
(ラジオ局の番号)
解説:自動的にサーチを行う。クリックのタイミングで音量のボリュームアップとボリュームダウンになってしまうので注意。
工場初期化リセット
工場初期化
を10秒間長押し後に、を2回クリックする。をクリックする
インターコムペアリング
設定メニュー
設定終了
工場初期化
初期化完了、さようなら
解説:設定を初期化したい場合に使用する。インターコムの接続やブルートゥース機器も解除されるので注意。すでに接続しているブルートゥース機器のペアリングも削除しなければ再接続ができなくまるので注意。

残念だったこと

自転車をこよなく愛する人って12時間走る人はざらにいるんですよね。そんな中バッテリー稼働時間は12時間なので、充電しながら走ればいいじゃないですか!と思いヘッドライトを付けるがごとく、モバイルバッテリーを頭に取り付け充電してみると…電源が落ちるんです。
充電しながら使えない!頭が重くなっただけで残念な感じになりました。ファームウェアの更新ができるみたいなのでいつの日かこのあたりの改善もできてくれればな~なんて!

最後に

自転車の世界で軽さは正義というぐらいですが、このヘルメットを使用した感じ重さは特に感じられず普通のサイクルヘルメットと同じように使用でき、たったこれだけなのに1回ライドに使ったら手放せなくなるヘルメットなのは必須です。いきなり完成度の高いものを市場に投入ですか(驚愕)!。そんなヘルメットをどこかの中学や高校に配布したら自転車に乗っているときヘッドホンも使わなくなるだろうし、普通に被って自転車に乗るんじゃないかな?、コミュニケーションも増えていじめもなくなるとかは言いすぎかかもですが、たまたま、この記事を見ていただいた市長さん、町長さん、学校長さんチャンスです。どこかでモデル校をやってみてはいかがでしょうか(笑)

プロモーション

商品情報

メーカー
Sena Bluetooth Japan(セナブルートゥースジャパン)
商品名
R1 スマートサイクリングヘルメット
一般仕様
●通話時間:12時間※1
●通話距離(インターコム):最大900m(見通しの良いところ)※2
●動作気温: -10℃~50℃
●重量:380g(Mサイズ)
Bluetooth
●Bluetooth 4.1
●Headset Profile(HSP)
●Hands-Free Profile(HFP)
●Advanced Audio Distribution Profile(A2DP)
●Audio Video Remote Control Profile(AVRCP)
オーディオ
●オーディオ
 ノイズキャンセル機能:Advanced Noise Control™
 コーデック:内蔵 SBCコーデック
●FMラジオ:
 ラジオ帯域:76~108MHz
 10局プリセット登録
ヘルメット
●インモールド型ヘルメット
 (ポリカーボネート+EPS フォームライナー)
●ナイロン&レザーチンストラップ
●カラー:
 オニキスブラック・アイスブルー・エレクトリックオレンジ
●サイズ:M(55~58cm)/ L(59~62cm)
バッテリー
リチウムポリマーバッテリー
バッテリー充電時間:約2.5時間
認証
TELEC
ヘルメット:CE EN 1078 CPSC 1203
保証
Bluetoothユニット:2年
ヘルメット:5年
発売日2019年4月19日
定価33,264円(税込)
※1、※2 使用環境(天候、場所、通話距離、通話人数など)及び接続機器などにより異なります。